あなたの着物のお悩みあれこれに、ワノコト着付け講師が答える「きものお悩み相談室」。今回のお悩みは「衣紋がうまく抜けません」です。
しっかり抜いたつもりなのに、着物を着て、帯を締めて、最後に確認したら「あれ?」ということ、ありますよね!
今回のご相談は・・・
りりさん(30代)/着物歴 6ヶ月
衣紋がうまく抜けません!
初めは綺麗に抜けていても、着物を着たり、動いているうちに詰まってしまいます。衣紋抜きも活用しています。
コツがあれば、教えてください!
お悩みへのアドバイス
ワノコト着付け講師の齋藤 瑞穂です。
りりさん、ご相談ありがとうございます。
衣紋が詰まってしまうのは、3つの原因が考えられます。どれか1つかもしれませんし、複数が当てはまっている可能性もありますので、ご自分の着付けを思い返してみてください。
肩山線の位置をしっかり確認しましょう
まずは、襦袢を着る時についてです。襦袢を着た後に、肩山線(衿から袖口までに付いている折り目)はどこを通っていますか?もし肩山線が肩の真上を通っている状態ですと、衣紋がしっかり抜けていません。肩の真上よりも、後ろ側を通っているか、鏡で確認してみましょう。
衣紋を抜く時は、一度大きく襦袢の背中心を背中の方まで引いてからから、拳一つ分の位置まで戻すようにすると、肩山線がしっかり後ろに落ちてくれるはずです。
襦袢の伊達締めは緩くない?
次に、襦袢の伊達締めは緩くないでしょうか。背中の伊達締めに指が簡単に入ってしまうようですと緩い状態です。
伊達締めを背中で交差させてしっかり締めた後は、緩まないように2回絡げて端をピンと張った状態で挟み込んでください。
端がしっかり張っていないと、絡げた部分が時間とともに緩んできてしまいます。
肩や腕をなるべく上げない!
最後に、意識してみていただきたいのが、着物から帯を仕上げるまでの間に、肩や腕をなるべく上げないように動くということです。
動きの中で肩を上げすぎたり脇を開きすぎると、伊達締めを締めた後に引いたシワやたるみが元に戻ってしまい、それが衣紋の詰まりや衿元の歪みにも繋がります。
肩に力を入れず、腕をなるべく上げずに着付けられるようになると、着崩れが減りますし着付けで疲れることもなくなってきます。
さて、この中で当てはまるものがないか確認をしてみてください!
最終的には拳1つ分程度抜けるようになるのが理想ですが、しばらくは拳1つより大きめに抜いて着る練習をしてみても良いですね。
着付け終わった最後は、着物の裾をまくり着物と襦袢の間に手を入れて、腰の辺りで襦袢の背中心を摘んで下にしっかり引き直すのも忘れないでくださいね。
着付けを始められて半年との事ですので、手順は既に覚えられている頃かと思います。今後はブラッシュアップの段階になりますので、教わった手順の一つ一つを、今一度丁寧に行うことを意識してみてくださいね。
回数を重ねるほど、思う通りに着付けができるようになっていくので楽しいですよ!