さて、今回は「抹茶」をテーマに
基本的な抹茶の種類や特徴そして点て方についてご紹介いたします。
〜抹茶の種類について〜
抹茶には濃茶と薄茶 の2種があります。
抹茶は若芽や若葉に直接日光や風があたらないように、藁などで覆われた茶畑にて、日陰で育てられた茶の芽を用いて作られます。
新鮮な色と香りを保たせるため、茶摘みをするとまず蒸して、その後、茶葉を乾燥させます。
5月に茶摘みがおこなわれてから半年間、茶葉を茶壺に密閉し保管します。
これを茶臼で挽いたものが抹茶です。
茶道では11月に口切りの茶事が行われ、茶壺の口を開けその年初めての新茶をたのしみます。
濃茶と薄茶はどちらもこの同じ製法で作られ、差異はないのですが、濃茶は樹齢70~80年以上の古い茶樹、薄茶は比較的若い茶樹から摘んだものという説もあります。
すべての抹茶は薄茶に使用できるのに対し、濃茶の場合は苦味がなく上質なもの、甘みのある茶葉のみが使われます。
〜点て方について〜
濃茶
一人あたり約4gの抹茶を使用します。
濃茶とは人数分の抹茶を入れ、抹茶の量に対し、ほどよい味わいになるよう湯を2回に分けて入れ練り上げたもの。
薄茶は「点てる」と言うに対し、濃茶を「練る」といいます。1つの茶碗で正客から順に飲み回します。
✴︎回し飲みをすることにはどのような意味合いがあるの?
濃茶は主菓子(生菓子)とともに茶事のメインであり、この一服のため、亭主は心を尽くします。
亭主が練り上げた一碗の茶を同席したお客様一同で分かち合い、飲み回すことに茶道本来の和の精神があり本質といえるのです。
※現在は、感染予防のためレッスン内での飲食は行っておりません。※
濃茶の点前では抹茶を「茶入」という道具に入れます。
濃茶を入れるための茶入は象牙で蓋が作られており、蓋裏には金箔がはられています。
✴︎なぜ金箔がはってあるの?
金は毒物にあうと変色するということから、昔、茶を出すときに蓋を客にみせる心持ちで扱い、茶会の度に金箔をはりかえたとされています。
現代では毎回金箔をはりかえることは行われていませんが、茶入を拝見する際は美しい象牙の蓋も鑑賞します。
薄茶
薄茶は1人1碗にて点てられます。
約1.5g~2gの抹茶に約70ccの湯量を入れ、茶筅で泡立てたものをいいます。
湯は70℃程が適します。美味しい抹茶を点てるポイントは適温&適量の湯と抹茶を入れることが大切とされます。
肘の力を抜いて茶筅を振り、ほどよく点てることで、きめ細かい泡がたちます。
最後には茶碗の中で、ひらがなの「の」を描くように茶筅の穂先を中央からあげると茶碗中央部分がふっくらとした美味しい薄茶を点てることができます。
レッスンを重ねながら、美味しい抹茶の点て方をマスターしましょう♪
~抹茶の保存方法について~
茶は一般的に吸湿性、吸香性が強く、特に抹茶はその性質が高いとされているため食べ物のにおいなどが移ってしまいやすいという特徴があります。
冷蔵庫に入れる際は、抹茶の香りが損なわれないよう気をつけましょう。
開封後の抹茶は缶など機密性の高い容器に保管し、冷暗所におきます。
抹茶の特徴として吸湿性が高いので少しの揺れや衝撃を与えるとダマが非常にできやすいため、抹茶は使用する直前に必要な量を漉すことが大切です。
きめ細かい抹茶は点てやすく、ふんわり泡立ち香り高いまろやかな味わいになります。
今回は抹茶の特徴や点て方について簡単にご紹介いたしました!
「茶は服のよきように」
利休七則の1つであり、お茶は心をこめて、おいしくたてましょうという意味があります。
亭主が想いをこめて点てた一碗の茶を通し互いに心を通わせること、和を感じることを意味しており、茶道のこころを表現しています。
ゆったりと和菓子&抹茶をいただく時間、また亭主として一碗の茶を点てることにのみ集中する時間は、日常から少し離れ、リラックスさせてくれます。
ぜひ茶道レッスンを通して落ち着いた空間で素敵な時間を過ごしてみませんか?
ワノコトではお好きな日時に通える【初級8回コース】にて、受講回数が明確なステップアップ式となっており、安心してスタートいただけます。