名古屋帯の柄出しがいつもうまくいきません!

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あなたの着物のお悩みあれこれに、ワノコト着付け講師が答える「きものお悩み相談室」。今回のお悩みは「名古屋帯の柄出しがいつもうまくいきません!」です。

お気に入りのお太鼓柄の帯、でもなかなか思うように柄が出てこないとお悩みの方、多いですよね。今回は、柄が出ない原因と解決法をお伝えします♪

今回のご相談は・・・

名古屋帯の柄出しがいつもうまくいきません!
上手く柄を出すコツはありますか?

お悩みへのアドバイス

ワノコト着付け講師の齋藤 瑞穂です。
ご相談ありがとうございます。

先ず、お太鼓のどこにポイント柄が出るのが良いのか、という事について前提を少し書かせていただきます。

柄のデザインや好みにもよりますので一概には言えませんが、一般的にはお太鼓の上側にポイント柄が出るようにします。

柄が中央より上側にあった方が、見る人の目線が上に行くのでスタイルアップ効果があります。

また、お太鼓を人が後ろから見る時は、やや見下ろす目線になるので、柄の上端が帯枕のカーブの上に乗っているくらいでも、実は柄全体がちゃんと見えていたりします。

これを踏まえて、今回はポイント柄が上側にくるようにする方法をお伝えします。

ポイントは、帯枕の位置と帯の長さです。

帯枕の位置について

柄をお太鼓の上側に出したい時の帯枕の位置は、帯枕をポイント柄の上端から5㎝程度離れた位置に当てます。

帯枕の平面部分をタレの内側に合わせて、カーブの上側がポイント柄と向かい合うようにします。

ここまでは、鏡で柄の位置を確認しながらやると良いですよ。

帯枕の位置が決まった後、背中に背負う瞬間は鏡を見ないようにしてください。 鏡を見ながら背負うと逆に歪んでしまいやすくなります。

帯枕とお太鼓柄の距離を2~5㎝程度にすることで、背負った時にお太鼓の上の方に柄が出ます。

ここまでは、お太鼓柄を上側に出すための帯枕の位置のお話でした。

帯の長さについて

お悩みである「お太鼓柄が上手く出せない」ことは、帯枕の位置だけでは解決しない可能性もあります。 原因として考えられることは、次の2つです。

  • 帯が短い(手先が短いorタレが短い)
  • 帯が長すぎる

それぞれの対策法を、少し掘り下げてお伝えしたいと思います。

まずは帯が短いのか長いのかを把握する

まずは、お持ちの帯が短いのか、長いのかを知るところからはじめましょう。

手先をいつも通りの長さで取り、2巻してから背中でクリップ留めしてください。 そして背中で帯をクリップで留めた後、タレの根元を広げます。

ここで、帯が短すぎてポイント柄の位置が決まらないのか、逆に長すぎて決まりにくいのかを見分けましょう。鏡で背中を見てみてください。

ポイント柄がお尻あたりにある場合は帯が短め

ポイント柄が、お尻辺りから上にかかっている場合は、タレが短い為に柄が上手く出ません。

無理やり帯枕を背中に当てようとしても、タレの根元に近すぎてお太鼓にシワが入ったり、引っかかって上がりきらなかったりします。

ポイント柄の上端が、太ももから下の位置にあれば、根元から十分離れているので、帯枕も当てやすくシワも寄りにくいです。

背中のクリップを真ん中ではなく、少し左寄りに留めることで、柄の位置を下げる微調整ができます。(帯を時計回りで巻く方は右寄りに留めてください)

さて、微調整では変わらないくらいポイント柄の位置が高い場合です。
柄を太腿の辺りまで下げるには、手先を短くするしかありません。

前に預けている手先の長さを測ってみてください。
目安として、脇(身体の真横)から手先の端までの長さが35cm以上あれば、最後お太鼓の中に通す長さとして足りています。

この長さは体型や帯の厚み・硬さで差異は出ますが、最低でも31cmは必要です。(お太鼓の横幅の長さです。)

もし手先が35cm以上あるならば、手先をもう少し短く取っても大丈夫です。
手先を短くした分だけ、ポイント柄の位置が下がってくれるので、帯枕を当てやすくなるはずです。

闇雲に手先の長さを変えるより、足りない長さを測って、その分だけ短くして最初から巻き直してみてください。

ここで手先が31cmに満たない場合は、手先の長さもギリギリということなので、手先が短い帯です。

この場合、一般的な一重太鼓の結び方でポイント柄をキレイに出すのは難しいかもしれません。

違う帯結び方にするか、和裁士さんにご相談されることをオススメします。

ポイント柄が膝裏位置よりかなり下にある場合は帯が長め

ポイント柄の上端が、膝裏より下にある場合は、帯が長すぎるためにポイント柄が上手く出しにくいです。

なぜならば、自然に手を下した位置より下に柄があるので、帯枕の位置まで手繰り上げる必要があるからです。 その方法については後ほど説明しますね。

先ずは、帯が短い時と同様に、手先の長さを調整してましょう。
闇雲に調整するより、お太鼓柄の位置がお尻よりどれだけ下にあるのかを、手幅などでも良いので確認してから、その分だけ手先を長く取るようにしてみて下さいね。

手先を長く取ると、最後お太鼓の中に通すときにはかなり余ってしまいますが、根元側を外からは見えないお太鼓の内に折り込むように収納してしまいます。
「見えなければ良し!」というくらいの気持ちで、指先で奥まで入れるようにしてみて下さい。

さて、それでもポイント柄がお尻より下の位置になってしまう場合は、柄を手繰り上げて調整します。

まずはいつも通り、手を下ろした位置で帯枕とタレを合わせて持ってください。

この時点では、帯枕の平面部分とタレの内側が向かい合っている状態で、親指でタレを押えています。 そのまま、90度手首を返して帯枕の平面側を天井に向けます。

親指を帯枕の上を滑らせるようにして、ポイント柄を下から上に手繰り寄せて下さい。 帯枕の上に柄が乗らないよう、5㎝程度手前の位置まで上げるのがポイントです。

帯枕を柄の上端あてるところまでは鏡で確認しながらやってみて下さい。
ただし、枕を背負う瞬間は鏡を見ないようにしてくださいね。

又は自分でポイント柄の位置が直接目視出来るようにように、タレを背中から脇に持ってくる方法もあります。

柄の部分を手で持って、タレの内側に帯枕を入れます。
帯枕の平面部分をタレの内側に合わせて、カーブの上側をお太鼓柄上端から5㎝程度離した位置に当てます。
一度、タレを出した側の手で中央でタレで包むように帯枕を持ち、背中に戻します。
反対側の手で帯枕とタレを合わせて持ち、中央の手も脇にずらして同じように持ち替えます。

補足ですが、クセのある帯もたまに存在します。

例えば、タレと手先が切り替わる三角形の頂点部分から、お太鼓の柄までの距離が近すぎると、そもそも帯枕を置けるスペースが狭いので柄をキレイに出すのが難しいです。

また、帯枕を背負った時にお太鼓の上線からタレ先までの距離が50㎝に満たない場合には、タレの折り上げを少なくするなどの工夫が必要になります。
アンティーク帯などでたまに見かけるので事前に確認してみてくださいね。

今回は、帯の構造に関係する少し込み入った話になってしまいましたが、ご理解いただけたでしょうか。

是非、お手持ちの帯でレッスンにいらしてみてください!
お気に入りの帯で晴れやかなお気持ちでお出掛けできますよう、応援しています。

ワノコト着付け講師
ワノコト着付け講師
齋藤 瑞穂先生

※各講師の回答は一つのアドバイスとしてお考えください。着付けや着物は、身長や体型などによって個人差があります。他の方への回答が、必ずしもご自身に当てはまるとは限りません。

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