仕事や旅先で、急にお茶会に参加することになり、慌てた経験はありませんか?お茶会でなくとも、抹茶茶碗で出されたお抹茶を頂くのは、茶道未経験の方にとってはドキドキすることかもしれません。
いざという時のために、お茶会についてこれだけは知っておきたいマナーをまとめました!!
お茶会とは?
まず、「お茶会」と聞くと一体どんなことをするの?とはじめての方にとっては謎が多いですよね。
難しく思われがちですが、お茶会にも種類があり、はじめての方でも気軽に参加できるものもあります。
お茶会には、大きくわけて二種類あります。
正式なお茶会「茶事」
「茶事」とは、懐石からはじまり濃茶・薄茶までを振舞いお客様をおもてなしする正式なお茶会です。
4時間おこなわれる茶事は5名ほどの少人数にておこなわれ、主に近しい方からご招待されることが多いでしょう。「初心者のための茶事」を受講できるお教室や寺院が主催する茶事のイベントなどもありますが、ほとんどの場合はいきなり「茶事」に招かれることはありません。
身近に参加できるお茶会「大寄席のお茶会」
大寄席の茶会とは、その名の通り、多くの客を一同に招き、開催されるお茶会です。
大寄席の茶会にもいろいろな種類があり、薄茶席のみなどといった初めての方が気軽に参加できる茶会もたくさん催されています。特に都内では大規模なイベントとして、「東京大茶会」や「銀茶会」など季節の風物詩ともいえるお茶会があります。
気軽なお茶会といえども、服装や持ち物などはどうしたらよいの?と不安に思いますよね。
まずは、お茶会への持ち物からみてみましょう。
お茶会へ参加するときの持ち物
大寄席のお茶会へ参加するときには、以下のものを用意しておきましょう。
懐紙入れ
かいしいれ
茶席において必要最低限の茶道小物をひとまとめに入れて携帯する為のケース。袱紗ばさみ(ふくさばさみ)とも言います。
扇子
せんす
お茶席には必須のお道具! 茶道用の扇子を用意しましょう。男性用は女性のものより一回り大きいサイズです。 ご挨拶の時やお道具拝見の際に膝前におき、茶道では扇子を開くことはありません。
懐紙
かいし
お菓子をのせる時に使い、使い終わった懐紙は折りたたんで持ち帰ります。男性用は女性用より一回り大きいサイズです。最近では可愛い絵柄ものも売られていますよね!お茶会へ行く際は新しいものを1帖用意しましょう。茶事では白無地の懐紙を使うと良いでしょう。
菓子切り
かしきり
お菓子をいただく時に使う楊枝です。忘れずに持っていきましょう!ステンレスのものが何度も使えて便利。洗えるから衛生的にもおすすめです! もちろん木製のものや黒文字でもOKです。菓子切り入れ(ケース)に入れて持ち運び、懐紙の間にはさんでおきます。
帛紗
ふくさ
お点前中に使うもので、茶道具を清める時に使います。腰につけて亭主側の印ともなります。男性は紫を使用します。茶会にお客様として参加の場合は、なくてもOKですが、最初に揃えておくべき道具の1つです。
数寄屋袋
すきやふくろ
お茶席にはバッグを持って入ることができないことが多いものです。その為、小物一式をひとまとめにして収納できる数寄屋袋が便利です。スマホや口紅などのちょっとした化粧道具も入るサイズがおすすめです!
持っているとよいおすすめアイテム
・古ぶくさ
・紙小茶巾
・小茶巾入れ
・白い靴下または替えの足袋
・足袋入れ
・草履につける鼻緒飾り
(人数が多い際はお草履を探すときの目印になり、お草履の履き間違いも防げます)
・お茶券をいれるミニファイルやお札入れ
・ハンカチや手ぬぐい
(蹲(つくばい)で手を清める際は袂やポケットにいれておき、蹲の前では膝の上に出しておきましょう)
・ミニ手鏡/ミラー
お茶会へ参加するときの服装
お茶会当日は心身ともに清らかに・・服装や身だしなみを整えて向かいましょう
身だしなみ
・香水はNG!
・指輪や腕時計などアクセサリーは外しましょう。(貴重なお茶碗をはじめ茶道具を傷つけないため)
・ヘアスタイル/髪の長い方はまとめましょう。お道具を傷つける心配のないよう、大きなかんざしや髪飾りはなるべく控えましょう。
・携帯電話はマナーモードか電源OFFに!
着物のコーディネート
お茶会では、カジュアルすぎない着物コーディネートでのぞみましょう。
衿&足袋は白で礼儀を正しましょう。足袋カバーや替足袋の用意で、茶室に入る時にはきれいな足元で!
【男性】
着物の場合はお召または無地紬に袴など茶席の雰囲気を損なわないコーディネートが好ましいです。色味は全体的に落ち着かせて・・
茶会へお出かけする際は、足元が気にならないよう袴をはくことをおすすめいたします!袴を着用の際には下着としてステテコを履いてもOKですが、袴なしで着物×角帯の場合は必ず長襦袢を着用しましょう!着崩れのないよう腰ひもをしっかりと結びます。
【女性】
染めの着物×袋帯または格のある名古屋帯が適します。紬はカジュアルなおしゃれ着なので、またの機会に。紬でも無地に染めたものは帯で格上げすると、お客様としてのご参加なら大丈夫です。
ご招待いただいた際は、事前にお茶会の様子をお伺いしておくと安心です!参加するお茶会のテーマやTPOに合わせた着物コーディネートをたのしみましょう♪
着物や帯の柄で季節や格を表すのもコーディネートの大切なポイント!早春の喜びや風情を表す柄、上品な古典柄、落ち着いた自然の色が素敵です。
洋服のコーディネート
靴下はお茶室前の控室や待合いにてきれいなものに履き替えます。雨の日などは汚れてしまう可能性が高いので、新しい靴下を必ず持参しておきましょう!
【男性】
シャツ×ジャケットのコーディネートやスーツが適しています。オフィスカジュアルの服装でもOKですが、色味はシックな落ち着いた色がよいでしょう。お茶室へ入る際、ジーパンは避けましょう。ジーパンで正座をすると足もしびれやすいので要注意・・
【女性】
スーツやオフィスカジュアルの服装が好ましいです。
スカートの場合はひざ下の丈(上品にみえるミディ丈)が適します。意外と、お茶会では茶室の移動や席入りなどで立ったり座ったりすることが多く、身軽に動ける服装であることも1つのポイント。くるぶしまでの長いマキシスカートより、膝下やふくらはぎまでの丈がおすすめ!
ネックレスや指輪のアクセサリー類を茶席では外しますが、サテンなど光沢のある生地やレースが施されたお洋服などを選ぶと、フォーマルでも華やかな印象でお茶席にぴったり・・ !女性もパンツを選ぶ場合、ジーンズは避けましょう。
お茶会に参加する時に知っておきたい名称
茶席のお客様にはそれぞれの名称と役割があります。お茶会に参加する際には、この名称だけは覚えておきましょう。
正客(しょうきゃく)
茶会における最上位のお客様のこと。お客様の代表として、お道具のことや茶会のしつらえについて、亭主(席主)の方とお話しをする方。1番上座のお席に座ります。
次客(じきゃく)
正客の隣に次いで座るお客様のこと。そのあとは、三客・四客・・と座った順に呼ばれます。
末客(まっきゃく)
最後に席入りするお客様のこと。「お詰(つめ)」ともいいます。お茶席について全ての流れを理解し、他のお客様や亭主(席主)への配慮ができる方が務めます。
※お茶会が初めての方・お子様や外国人のお連れ様がいる際は、その方が「末客」にならないようにする等、座る順番に気をつけるとよいでしょう。サポートできるよう並んで座りましょう。