レッスンについて
香りを「嗅ぐ」のではなく、「聞く」――。日本には、香りと静かに向き合い、その奥深い世界を味わう「香道」という伝統文化があります。
香りを「嗅ぐ」のではなく、「聞く」――。日本には、香りと静かに向き合い、その奥深い世界を味わう「香道」という伝統文化があります。
■香道とは?
■香道とは?
香道とは、一定の作法のもとに香木を焚き、その香りを鑑賞する日本独自の芸道です。ただ香りの良し悪しを楽しむだけではなく、香りの中に季節の移ろいや自然の情景、古典文学や和歌の世界を重ね、そこに込められた情緒を味わいます。茶道や華道と並ぶ日本の伝統文化のひとつとして、長い年月をかけて受け継がれてきました。
香道とは、一定の作法のもとに香木を焚き、その香りを鑑賞する日本独自の芸道です。ただ香りの良し悪しを楽しむだけではなく、香りの中に季節の移ろいや自然の情景、古典文学や和歌の世界を重ね、そこに込められた情緒を味わいます。茶道や華道と並ぶ日本の伝統文化のひとつとして、長い年月をかけて受け継がれてきました。
■御家流(おいえりゅう)とは?
■御家流(おいえりゅう)とは?
香道は14世紀頃にその基礎が築かれ、現在では三條西実隆(さんじょうにしさねたか)を始祖とする「御家流(おいえりゅう)」と、志野宗信(しのそうしん)を始祖とする「志野流(しのりゅう)」が、二大流派として知られています。
この二つの流派は、香木の香りを味わい、日本の美意識を楽しむという点では共通していますが、その成り立ちや大切にしてきた精神、使用する道具や所作などに、それぞれ異なる特徴があります。
今回のレッスンで体験していただく「御家流」は、公家で和歌にも深く通じた三條西実隆を始祖とし、平安時代より公家社会で親しまれてきた和歌や香遊びの伝統を受け継ぐ流派です。優美さを大切にし、古典文学や和歌と香りを結びつけながら、季節の移ろいや自然の情景、物語の世界に思いを巡らせ、香りがもたらす余情や趣を味わってきました。伸びやかで優美な所作も特徴のひとつで、道具には蒔絵(まきえ)が施された華麗な漆塗りの香炉や、青磁、白磁などが用いられます。かつて香は宮中や公家社会でも親しまれた雅な文化であり、その美意識は今日まで大切に受け継がれています。
一方、志野宗信を始祖とする「志野流」は、武家社会を中心に広まり、礼儀作法や規律を重んじながら発展してきた流派です。簡素な中にある厳しさを大切にし、香道を精神鍛錬のひとつとして捉えることにも特徴があります。所作は無駄を省いた端正で格式あるものとされ、道具にも素朴で落ち着いた趣の香炉や木地の香道具などが用いられます。
このほかにも、香りの捉え方やお手前など、流派によってさまざまな違いがあります。同じ香道でありながら、それぞれ異なる歴史と美意識を今に受け継いでいることも、香道の奥深い魅力のひとつです。
香道は14世紀頃にその基礎が築かれ、現在では三條西実隆(さんじょうにしさねたか)を始祖とする「御家流(おいえりゅう)」と、志野宗信(しのそうしん)を始祖とする「志野流(しのりゅう)」が、二大流派として知られています。
この二つの流派は、香木の香りを味わい、日本の美意識を楽しむという点では共通していますが、その成り立ちや大切にしてきた精神、使用する道具や所作などに、それぞれ異なる特徴があります。
今回のレッスンで体験していただく「御家流」は、公家で和歌にも深く通じた三條西実隆を始祖とし、平安時代より公家社会で親しまれてきた和歌や香遊びの伝統を受け継ぐ流派です。優美さを大切にし、古典文学や和歌と香りを結びつけながら、季節の移ろいや自然の情景、物語の世界に思いを巡らせ、香りがもたらす余情や趣を味わってきました。伸びやかで優美な所作も特徴のひとつで、道具には蒔絵(まきえ)が施された華麗な漆塗りの香炉や、青磁、白磁などが用いられます。かつて香は宮中や公家社会でも親しまれた雅な文化であり、その美意識は今日まで大切に受け継がれています。
一方、志野宗信を始祖とする「志野流」は、武家社会を中心に広まり、礼儀作法や規律を重んじながら発展してきた流派です。簡素な中にある厳しさを大切にし、香道を精神鍛錬のひとつとして捉えることにも特徴があります。所作は無駄を省いた端正で格式あるものとされ、道具にも素朴で落ち着いた趣の香炉や木地の香道具などが用いられます。
このほかにも、香りの捉え方やお手前など、流派によってさまざまな違いがあります。同じ香道でありながら、それぞれ異なる歴史と美意識を今に受け継いでいることも、香道の奥深い魅力のひとつです。

■香木(こうぼく)とは?
■香木(こうぼく)とは?
香道で用いられる「香木」とは、木そのものがもつ天然の香りを楽しむ香料のこと。代表的なものには、甘くやわらかな香りで古くから親しまれてきた「白檀(びゃくだん)」や、奥深く複雑な香りをもつ「沈香(じんこう)」、そして沈香の中でも特に質の高いものとされる「伽羅(きゃら)」などがあります。
例えば沈香は、樹木が傷ついた部分などに長い年月をかけて樹脂が蓄積し、さまざまな自然の作用を受けながら、芳香をもつようになったものです。産地や樹脂の含まれ方、熟成の過程などによって香りは異なり、一つひとつ異なる表情を見せます。
人の手だけでは生み出すことのできない、自然と時間が育んだ香り。長い時を経て現代へと受け継がれた貴重な香木に出会い、そのわずかな香りに静かに向き合うことも、香道ならではの特別な魅力のひとつです。
香道で用いられる「香木」とは、木そのものがもつ天然の香りを楽しむ香料のこと。代表的なものには、甘くやわらかな香りで古くから親しまれてきた「白檀(びゃくだん)」や、奥深く複雑な香りをもつ「沈香(じんこう)」、そして沈香の中でも特に質の高いものとされる「伽羅(きゃら)」などがあります。
例えば沈香は、樹木が傷ついた部分などに長い年月をかけて樹脂が蓄積し、さまざまな自然の作用を受けながら、芳香をもつようになったものです。産地や樹脂の含まれ方、熟成の過程などによって香りは異なり、一つひとつ異なる表情を見せます。
人の手だけでは生み出すことのできない、自然と時間が育んだ香り。長い時を経て現代へと受け継がれた貴重な香木に出会い、そのわずかな香りに静かに向き合うことも、香道ならではの特別な魅力のひとつです。
■香りを聞く(きく)とは?
■香りを聞く(きく)とは?
こうした香木の香りを味わうことを、香道では「嗅ぐ」ではなく「聞く」と表現します。立ちのぼる繊細な香りに心を澄ませ、その香りがもつ個性や移ろいを丁寧に受け止める――。目には見えない香りと向き合うひとときは、日常とは少し異なる、静かで豊かな時間をもたらしてくれます。
香道というと、「作法が難しそう」「特別な知識が必要なのでは」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。このレッスンは、香道に初めて触れる方のための体験レッスンです。香木とは何か、なぜ香りを「聞く」と表現するのか、御家流香道にはどのような魅力があるのか。基礎から学びながら、実際に香木の香りと向き合っていきます。
忙しい日常から少し離れ、目には見えない香りに心を寄せるひととき。自然が長い歳月をかけて育んだ香木の奥深さと、日本人が香りに託してきた美意識に触れながら、雅な御家流香道の世界を体験してみませんか。
こうした香木の香りを味わうことを、香道では「嗅ぐ」ではなく「聞く」と表現します。立ちのぼる繊細な香りに心を澄ませ、その香りがもつ個性や移ろいを丁寧に受け止める――。目には見えない香りと向き合うひとときは、日常とは少し異なる、静かで豊かな時間をもたらしてくれます。
香道というと、「作法が難しそう」「特別な知識が必要なのでは」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。このレッスンは、香道に初めて触れる方のための体験レッスンです。香木とは何か、なぜ香りを「聞く」と表現するのか、御家流香道にはどのような魅力があるのか。基礎から学びながら、実際に香木の香りと向き合っていきます。
忙しい日常から少し離れ、目には見えない香りに心を寄せるひととき。自然が長い歳月をかけて育んだ香木の奥深さと、日本人が香りに託してきた美意識に触れながら、雅な御家流香道の世界を体験してみませんか。
開催について
開催:不定期
開催:不定期
レッスン内容

今回の体験レッスンでは、御家流香道の世界に触れながら、初めての方にも楽しんでいただける「組香(くみこう)」のひとつ、「源氏香(げんじこう)」を体験します。
今回の体験レッスンでは、御家流香道の世界に触れながら、初めての方にも楽しんでいただける「組香(くみこう)」のひとつ、「源氏香(げんじこう)」を体験します。
■組香(くみこう)とは?
■組香(くみこう)とは?
「組香」とは、いくつかの香木の香りを聞き、その同異や組み合わせを考えながら楽しむ、香道ならではの遊びです。単なる「香り当て」ではなく、和歌や古典文学、四季折々の風景や物語などをテーマに、香りと日本文化の世界を重ね合わせて楽しむところに大きな魅力があります。
一つひとつの香りに静かに向き合いながら、記憶をたどり、その違いを感じ取っていく――。そこには、知的な面白さと感性を働かせる楽しさがあります。
「組香」とは、いくつかの香木の香りを聞き、その同異や組み合わせを考えながら楽しむ、香道ならではの遊びです。単なる「香り当て」ではなく、和歌や古典文学、四季折々の風景や物語などをテーマに、香りと日本文化の世界を重ね合わせて楽しむところに大きな魅力があります。
一つひとつの香りに静かに向き合いながら、記憶をたどり、その違いを感じ取っていく――。そこには、知的な面白さと感性を働かせる楽しさがあります。
■『源氏物語』の世界を香りで楽しむ「源氏香(げんじこう)」
■『源氏物語』の世界を香りで楽しむ「源氏香(げんじこう)」
数ある組香の中でも、特に広く知られているのが「源氏香」です。その名の通り『源氏物語』にちなんだ優雅な組香で、香りを聞き分ける楽しさと文学の世界が美しく結びついた遊びとして親しまれてきました。
源氏香では、5種類の香木をそれぞれ5包ずつ、合計25包用意し、そこから無作為に選ばれた5包の香りを一つずつ順番に聞いていきます。参加者は、「どの香りとどの香りが同じだったか」「すべて異なる香りだったか」など、5つの香りの組み合わせを聞き分けます。
その答えを表すのが、「源氏香之図(げんじこうのず)」と呼ばれる美しい図形です。5本の縦線を基本に、同じ香りだと感じたもの同士を横線で結び、一つの文様のように表します。5つの香りから生まれる組み合わせは全部で52通り。それぞれの図には、『源氏物語』五十四帖のうち「桐壺」と「夢浮橋」を除いた52帖の名が付けられています。
数ある組香の中でも、特に広く知られているのが「源氏香」です。その名の通り『源氏物語』にちなんだ優雅な組香で、香りを聞き分ける楽しさと文学の世界が美しく結びついた遊びとして親しまれてきました。
源氏香では、5種類の香木をそれぞれ5包ずつ、合計25包用意し、そこから無作為に選ばれた5包の香りを一つずつ順番に聞いていきます。参加者は、「どの香りとどの香りが同じだったか」「すべて異なる香りだったか」など、5つの香りの組み合わせを聞き分けます。
その答えを表すのが、「源氏香之図(げんじこうのず)」と呼ばれる美しい図形です。5本の縦線を基本に、同じ香りだと感じたもの同士を横線で結び、一つの文様のように表します。5つの香りから生まれる組み合わせは全部で52通り。それぞれの図には、『源氏物語』五十四帖のうち「桐壺」と「夢浮橋」を除いた52帖の名が付けられています。

例えば、一番目と三番目、二番目と五番目がそれぞれ同じ香りで、四番目だけが異なる香りだと感じた場合には、同じ香りの線を結び、その組み合わせに対応する源氏香之図で答えます。この場合は、下の画像のような図で表され、『源氏物語』第17帖の名をもつ「絵合(えあわせ)」が答えとなります。香りの記憶をたどりながら、その答えを美しい図形へと置き換えていくところも、源氏香ならではの魅力です。
例えば、一番目と三番目、二番目と五番目がそれぞれ同じ香りで、四番目だけが異なる香りだと感じた場合には、同じ香りの線を結び、その組み合わせに対応する源氏香之図で答えます。この場合は、下の画像のような図で表され、『源氏物語』第17帖の名をもつ「絵合(えあわせ)」が答えとなります。香りの記憶をたどりながら、その答えを美しい図形へと置き換えていくところも、源氏香ならではの魅力です。

「これは先ほどと同じ香り?」「少し違うような気もする……」。記憶と感性を頼りに答えを導いていく時間は、まるで香りで楽しむ雅な謎解きのよう。正解を当てることだけが目的ではなく、繊細な香りの違いや移ろいを味わうことそのものを楽しみます。
香道が初めての方も、どうぞご安心ください。香りの聞き方や基本的な作法から丁寧に学びながら進めていきます。和歌や古典文学と香りが織りなす御家流香道ならではの世界に触れながら、知性と感性で楽しむ「源氏香」の奥深い魅力を体験してみませんか。
「これは先ほどと同じ香り?」「少し違うような気もする……」。記憶と感性を頼りに答えを導いていく時間は、まるで香りで楽しむ雅な謎解きのよう。正解を当てることだけが目的ではなく、繊細な香りの違いや移ろいを味わうことそのものを楽しみます。
香道が初めての方も、どうぞご安心ください。香りの聞き方や基本的な作法から丁寧に学びながら進めていきます。和歌や古典文学と香りが織りなす御家流香道ならではの世界に触れながら、知性と感性で楽しむ「源氏香」の奥深い魅力を体験してみませんか。
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